ゴマちゃんフロンティア

アザラシが大好きな山梨県産SEの開発日記です

自作ゲームのストーリーや設定についてあれこれ考えたお話

time 2020/12/07

この記事は「Unityゲーム開発者ギルド2 Advent Calendar 2020」の7日目です。
https://adventar.org/calendars/5226

ここ数ヵ月、現在開発中のゲームのストーリーや設定について、Unityゲーム開発者ギルドの方に相談していました。
特に先日ゲームを共同開発させていただいた方に相談したところ、たくさんの提案やアドバイスをいただけました。とても感謝しております。

最近一緒にゲーム開発した人といえば…!

ただしあくまで「アイデアの種だし」や「客観的な評価」に徹してもらうようにしました。入りすぎると共同開発と変わらなくなってしまいますね。
なので基本的に大元はすべて私が考え、それの添削や提案をしてもらった感じです。
それでもストーリーの大筋は全然アイデアが出せず、その時はいろいろな案をいただきました。とてもありがたいです。

その結果、一時はかなり沈んでいた自作ゲーム開発を持ち直すことができました。
今回は「相談の中で決めたこと」や「なぜその内容に決めたのか」などをご紹介します。

開発中のゲームであるため、内容は変わる可能性があります。
「こんな感じで考えた」の一例として、参考程度にご覧ください。

すごく簡単なゲーム紹介

初めに自作ゲームがどういうものかを簡単にご紹介します。
一言でいうと「リスとアザラシが協力して冒険する」ゲームです。
リスの女の子「シルリス」が赤ちゃんアザラシの「ゴマ」と出会い、様々なアザラシを仲間にしながら冒険する…な感じですね。
シルリスとゴマは本ブログのヘッダにいるこの子たちですね。

ジャンルはゆるめのアクション (にしたい) です。
Unityプロジェクト的には3Dになりますね。キャラモデルはたまにTwitterにも挙げていたりします。そこだけは決まっていてブレないです。

ゲームコンセプトの設定

これまでは「プレイするユーザーにどんなことを体験をさせたいか」が決まっていませんでした。

なんのコンセプトもないゲームってある意味すごいね…

大変ごもっともです。
「体験させたいことがないと映画になっちゃいますよ!」とはギルドの方のお言葉です。今でもすごく心に残っています。

ということでまずはコンセプトを考え、結果的に「シルリス (主人公) の追体験」としました。
冒険や戦闘での指示、アザラシの育成などはシルリス主体で行うことであり、その中で「アザラシと近い」目線をユーザーに体験してもらいたいためです。
これはアザラシが好きな方がよく抱く「アザラシのトレーナーをやってみたい」という思いからですね。なのでアザラシと「一緒に」冒険するゲームですが、アザラシが「主体」にはならないように気を付けています。

その上でゲームならではの「現実世界では体験できないこと」を盛り込んでいきたいです。
先日描いていただいたイラストの構図にはそんな思いが含まれています。
「高原の上から海を見るアザラシ」は現実ではそうそう見られないでしょう。基本的にアザラシは海の動物ですからね。

ゲームのストーリーと世界観の設定

今までは「さらわれたアザラシを助けるため、ゴマと一緒に内陸のシロクマ軍団と戦う」ということ「だけ」決めて開発していました。
すると当然「なぜアザラシがさらわれたのか」「なぜシロクマ軍団なのか」「島はどんな島で、シルリスはどういう存在なのか」と、あれこれ疑問が出てきますね。
これに対する答えも一切用意していませんでした。

これの解決のため、前述のコンセプトを元にストーリーと世界観を考えました。
「主人公のリスの設定」「赤ちゃんアザラシの設定」「なぜ冒険に出るのか」「シナリオの起承転結」「ラスボスの目的」などなど…。
案を出して捨てて…を繰り返し、やっとおおまかなストーリーと設定を確立させました。
以下でどんなことを考えたのかご紹介します。

主人公とアザラシの設定と関連

主人公のシルリスは現実のニホンリスに近いイメージです。
一方でゴマや仲間アザラシは当然アザラシなので、「なんでリスとアザラシが協力するの?」という疑問が浮かびますね。

これの答えとして、まずアザラシたちの設定を考えます。
舞台となるのは1つの大きな島です。その島の北側にアザラシたちが越冬しにくるとしました。
現実のゴマフアザラシも、寒い時期は越冬のために北の海から日本に来たりしますね。北海道の抜海港が有名でしょうか。

次にゴマの設定です。なんらかの理由を付けてシルリスと冒険させなければなりませんね。
見た目通りゴマフアザラシの赤ちゃんなので、「両親とはぐれた」設定が一番作りやすいでしょう。

現実のアザラシでも、赤ちゃんが母親とはぐれてしまうことがあります。
メディアではタテゴトアザラシの例がよく紹介されている印象です。

加えてシルリスは「島の南側の森に住んでいる」設定にし、村近くの浜辺で迷子になっていたゴマを発見した…という体にしました。
北側から南側まで流れてきた理由は…まあ海流の影響とかでいいかなーと思いますが、「ラスボスの勢力におそわれたため、両親がゴマだけでも逃がすために仕方なく…」なども考えています。
そんなわけで、アザラシたちとはぐれてしまったゴマを両親の元へ送り届けるべく、シルリスが冒険に出る…が序盤の展開です。

またストーリー上、シルリスは初めて見るゴマをアザラシか判断できない状態であることが望ましいです。
しかし毎年越冬しに島に来ているのに知らないのはちょっと無理があるかも…。
そこで「シルリスにとっては初めての冬」という扱いにしました。

初めてって…私そんな産まれたばかりな扱いなの?

現実のニホンリスの寿命はだいたい4~5年らしいです。人間の寿命を仮に70年とすると、リスの1歳は人間だとだいたい13~14歳に相応します。
で、シルリスは人間で言うと10歳くらいの女の子を想定しています。なのでその年の春先に産まれたことにすると良さそうです。ちょうどニホンリスは3~4月に出産するらしいので、無理のない設定と言えるかと。

これでバッチリ!…ではなく、シルリスとアザラシが協力して戦うゲームなので、島の北側へ到達するまでシルリス単独…は無理があります。
なので北のアザラシたちとは別の種族で、島の中にある湖にも生息している設定にします。

アザラシって海の生き物じゃないの?

都合のいいことに、現実のアザラシの中でバイカルアザラシだけは淡水に生息するんですね。その名の通りバイカル湖という湖で。

アザラシは「海水でないと絶対死んじゃう!」というわけでもないようです。
私もあまり詳しくないですが、2020年に「箱根水族園」へゴマフアザラシ2頭が引っ越した事例を考えると、ある程度は問題ないのかもしれませんね。

ゴマたちのアザラシとは別の種族なので、彼らと会ってもゴマの両親は見つけられませんが、手がかりは得られる…な展開につなげます。

魔法の設定

シルリスたちリス族は魔法が使える設定です。
ただし温厚な種族なので他者を攻撃するような魔法は好まず、使う場合でも自衛や補助的な用途が主です。
しかし種族的に伝えられている魔法の中には、強大で破壊力抜群なものもあります。
これはストーリーの「転」の部分でシルリスが習得し、アクションとして解禁する想定です。

余談ですが、私の最初の案では「封印された魔法」みたいなフレーズを多用していました。「アザラシを助けるために封印を解く」ってなんだか格好いいですよね。
しかし「なぜ封印されているのか?」の設定に苦心。そんな強烈な魔法が封印されているからには相応の理由が必要で、どうしてもスケールが大きくなってしまいがちです。
仮に「ラスボスの勢力に有効」みたいな設定にしたとしても、リス族とラスボス勢の間で長年に渡る因縁がないとおかしいですよね。

仲間になるアザラシの扱い

仲間になるアザラシ (仲間として編成可能なアザラシ) は基本的にネームドキャラはいません。
これはユーザー自身でアザラシに名前を付け、愛着を持って育ててほしいという思想からです。
なので任意で何匹でも仲間になり、「別れる」という概念もあります。ここに説得力を持たせなければなりません。

そこで「アザラシを仲間にする導線」を考え、それを2つに絞りました。
1つはステージ上で迷子のアザラシを助けて仲間にする方式です。

いろいろなステージに迷子のアザラシがいるの?

迷子かどうかはさておき、「アザラシが迷い込んだ」例は現実にもそこそこあったりします。
日本では多摩川に現れたアゴヒゲアザラシのタマちゃんが有名ですね。それ以外にも調べると割といろいろなところに迷い込んでいたりします。
それで孤立してしまったアザラシを助けて、お互いに協力する…という流れ。

もう1つは群れのアザラシです。
ゲーム上では「内陸の湖のアザラシ」と「北に越冬しにきているアザラシ」の2つの群れが登場します。
シルリスはゴマの両親を探し、迷子のアザラシも助けて仲間にしながら冒険しているわけです。それが群れのアザラシと合流しても「がんばってねー」で終わるのは酷ですよね。
なので「(迷子を)助けてくれてありがとう!呼んでくれれば冒険に協力するよ!」な体で仲間として使えるようにしました。

また、この群れアザラシの設定があると「アザラシと別れる」を「群れに返す」と解釈させることができます。
現実のアザラシの群れも数百頭とかそういう規模なので、数匹増減したところで影響はない…はず。
群れに返すときに「お礼」としてアイテムがもらえたりすれば、ユーザーに対するリワードとしても良好でしょう。

アザラシたちの武器と能力について

今まで開発してきたバージョンのアザラシたちは皆武装していました。
槍振り回したり、ボウガンで矢を発射したり…。

しかしシルリスと会う前から武装していたらおかしいし、ステージ上の迷子のアザラシが武器を持って奮闘しているのも変ですね。
あと純粋にアザラシたちが武器を持つとどうしても殺伐とした印象が出てきてしまい、ゲームの雰囲気が物騒になります。
なので武器はなくしてしまうことにしました。

しかし武器によって個性やモーションの多様性を得ていたことも事実です。そこでアザラシたちは特殊能力として水や氷を操れる設定にします。
水を纏って高速移動したり、氷を放って攻撃したりですね。
ただし「主に天敵から身を守るため」のものであり、戦闘用ではありません。ここが強すぎるとシルリスの魔法が霞んでしまいます。

この設定が一番生きるのはゴマです。「なぜゴマだけ見た目が違うの?」という当然だけど難しい疑問が、「アザラシたちの中でも特別な血統で、特殊能力が強い」とやや強引に解釈させられます。

島の設定

舞台となる島についての設定も見直しました。
島の形そのものは、以前ネット上のフィールドジェネレータで作成したこちらのものを踏襲します。

アザラシが越冬してくることを考えると、現実でいえば北海道に近いイメージですね。なので気候もちょっと寒い感じ。

島にはシルリスたちリス族を含めた動物が多数暮らしており、村や町がいくつかあります。
基本的に温厚な種族が多いですが、中にはテリトリーに入ると否応なく攻撃を仕掛けてくる凶暴な種族もいます。この設定は冒険における敵役が必要なため加えました。

ちなみに「1つの島が世界全体」というわけではないです。ゲームの舞台としては登場しませんが、他にも島や大陸は存在する想定です。
でないとアザラシたちが越冬しにどこからやってきたか分からないですからね。

ラスボスの設定と目的

冒険物である以上、ラスボスの存在は不可欠です。
ということでラスボスの設定も作りました。

詳しく書くとネタバレになるのでぼかしますが、ラスボスの一味は「島の平和を脅かす」というベタな振る舞いをします。
それだけだとぽっと出のラスボスになってしまうため、島を侵略する理由も考えました。なので勧善懲悪は成立しないキャラ付けになるかと思います。
見た目は…まあアザラシの敵といえばあの動物しかいないですよね。

ちなみに初期の案のラスボスは「氷の世界から来た」のような設定でしたが、異世界から来るシチュエーションはご都合感が強いこと、また1つの島だけで完結する規模の設定に抑えるのが難しいことから没になりました。
他には「ゴマが途中でラスボスにさらわれる」展開も考えました。が、「ラスボスがゴマをさらう理由」がどうしても上手く設定できず、こちらも断念。
力目的でさらうのであればゴマの力を把握していないとおかしいし、シルリスたちを誘い出すためであれば何かしらの因縁が必要…と、簡単に組み込めるシチュエーションではなかったです。

ゲームデザインとシステムの設計

こちらは今も現在進行中ですが、12月中にはなんとかまとまるかなーという段階まできています。もうちょっと。
ストーリーや世界観が決まったので、自ずとゲームの規模やシステムもある程度絞り込めるようになりました。
何も決まっていなかった頃は選択肢が膨大すぎて、逆に収拾がつかなくなっていた感じがありました。でもここまで設定を固めてしまえば大丈夫そう。

しかし11月後半~つい先日まで、右目が角膜炎になってしまった影響でPCでの作業がほとんどできませんでした。
そんな中で「ノートにあれこれアイデア書いたら?」と言われたので、なるほど~と思いノートを1冊購入。後日家で新品のノートを発見しましたが…
「ストーリー」「世界観・設定」「ゲームシステム」等でページを分け、思いついた部分からささーっと書いていきました。

これは想像以上に効果があり、頭の中にあるものって無限に書き変わってしまうので、それを吐き出すことで考えを固定できるんですね。
もちろん没になった案もありますが、ノートなので書いたものはすぐ見返せます。そのため試行錯誤の「経緯」が分かりやすいです。
PC上でメモする場合と比べてイラストや注釈を入れやすいのもポイント。

これがだいたい固まったら一度インゲームのプロトタイプを作ってみて、よさそうならワークフローや絵作りの方向を確立させ、本格的に開発に入る感じですね。
そのあとでアウトゲーム周りを整備して…と考えると気が遠くなりますが、これまで考えた中で一番できそうなところまで来ているので、とにかくがんばります。

ゲームタイトルについて

決まっていません。はい。
これだけ設定を固めてもまだ決まらないのは、慎重というか優柔不断というか…。

とりあえず旧タイトルの「シルリスと18匹のアザラシ」は、18匹の部分が何の意味も成さなくなってしまったのでNG。
それでも「シルリスと〇〇のアザラシ」は使えそう。コンセプト的にもマッチしていますからね。その○○が全然決まらないんですけど…。
まあここは焦ってもしょうがないので、作りながらマッチする文言を考えてみます。

ちなみにゲームの開発自体は (形はさておき) かなり前から行っているので、Unityのプロジェクト名はまったく別物だったりします。
そっちもそっちでかなりダサいので、タイトル決まったら変えてしまいたいですけど。

考えていて感じたこと

なにか設定を決めるとき、「なぜそうなったの?」を考えることはとても大事であると感じました。
自作ゲームなので理由もなく「ゲーム的な都合です」でごり押すこともできますが、本作のようなストーリー性のあるゲームで多用するのはまずいです。
なぜなら「それ他でいいよね?」に対する答えがなくなるから。特に今作は「リスとアザラシが協力」という変わったシチュエーションなのでなおさらですね。
なのでこの数ヵ月でリスやアザラシの扱いについて決められてよかったです。

それでも辻褄が合うように、かつストーリーとゲーム性を考慮しつつとなると、案を出すだけでも大変でした。
現に私はこの記事の書いてあることを考えている間、「開発やめる」みたいな趣旨の発言を2回ほどしてしまいました。私的にはそのくらいきつかったです。
それでも前を向いて考え続けてられたのも、ギルドの方の助言のおかげです。ありがとうございました…!

あとがき

ということで、自作ゲームのガバガバだった設定や設計を持ち直したお話でした。
この内容が読者の皆様のアイデアや発想に少しでもつながればさいわいです。

それでも1人で考えるのは限界があるので、私のようにコミュニティに入って相談するのも手です。
おすすめのコミュニティは…記事の冒頭にもう書いてありますね。そういうことです。

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このブログを書いている人

りべるん

りべるん

アザラシが大好きな山梨県産Webエンジニア。2019年3月よりフリーランスSEとして東京で活動中。自称「Web業界のアザラシ」 [詳細]